1.選挙「解散は買い」
衆議院解散・総選挙期間中は日経平均株価が上がる!過去50年間、ほぼ勝率100%、1度だけ例外があって、それが1976年の総選挙だったそう。
根拠としては、「選挙期間中に様々な経済政策が掲げられるから」という至って単純なもの。
要は、「噂で買って、事実で売れ」と構造は同じなら、「ニュース(政治家の語る公約)などで出来事の観測が出てから期待値で買われ、事実となって材料出尽くしとなるから売れ」ということで、高値は当選までで以降は下落基調ということになります。ちなみに、日本で買っている大半は海外投資家で、他国の政治家に忖度して、という構造ではない筈。
ただし、たったの2週間でこれだけ確実なリターンが見込めるのであれば、ぜひとも積極的に利用したいアノマリーです。
2.WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)効果
WBCの年は、「大会が終わった後、日経平均はすべて年末までに上昇している」というアノマリー。過過去4回「全勝」、平均上昇率は20%超という強力なお約束。2023年は、コロナ感染症の影響で6年ぶりの開催だったものの、大勝利で日経も好調だったのは記憶に新しい所。2023年は、年末まで期待していればよいのかな?
一番株値が上がったのは、野球と無関係の金属製品メーカーの大谷工業。大谷翔平選手と名前が同じ、というだけで、大谷工業は3月1日には4,230円 → WBCが始まる直前の7日から急上昇、16日には一時16,050円と約4倍にも暴騰。というこぼれ話もあったね
3.夏季オリンピック「開催国はかならず株高」?
A.開催国自体の経済騰落率
※月刊THE OWNERの資料から
経済成長率では、1960~70年代あたりがオリンピックで経済効果があった時代でしたが、後の時代になると開催するまで施設・ホテル建設、観客誘致など景気は良くなるものの、開催した後に帳尻が回らなくなってくる傾向。
B.オリンピック期間の日経225
1968年のメキシコ大会から、金メダルを10個以上獲得した大会においては、以下のように五輪期間に株価が上昇した実績があります。※資料:株式会社アーリークロス
2021年東京オリンピックでは、開会式直前の7月21日の日経平均株価の終値は27,548円、閉会式直前の8月6日の終値は27,820円、上昇したものの、過去最多の金メダルを獲得した割には日経平均株価上昇率は1.0%程度とコスパは低かった?
コロナ感染対策と無観客措置で縮小傾向、他国からのインバウンド収入も見込めなかった結果と言えばそうですが、もはや高度成長期のかつての東京オリンピックのような経済起爆剤としての立ち位置は望めないようです。
夏季オリンピックよりWBCの方が、人の心も株価も燃えるようになったんだわ。
これから、大阪万博が冬季五輪よりも惨憺な目にあわないか、非常に心配。。。
4.サザエさんの法則(効果)
日曜夜のテレビアニメ『サザエさん』の視聴率が景気(TOPIX)と連動しているという大和総研による調査報告(2005年)がありました。景気が上向きだと、家族で日曜夕方に外出する機会が増えて『サザエさん』の視聴率はダウン、逆に不景気だと家にこもって視聴率がアップする、という仮説に基づくものです。
初代スポンサーだった東芝も退場し、昭和の大家族事情、文化も遠くなり、テレビをリアルタイムで観る習慣も子どもの数も減った現在、まだこのアノマリーは有効なのでしょうか?
5.金曜ロードショーのジブリ効果(ジブリの呪い)
金曜にジブリ作品が放映されると、月曜の相場が大荒れになるというアノマリー。
米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルが、このアノマリーの統計調査を行い、「ジブリ映画放映中に第一金曜日の米雇用統計が発表されると、円高ドル安⇒株価乱高下が起きやすい」と論理的に説明。
※米雇用統計…毎月第一金曜日、日本時間21:30(4-10月)、22:30(11-3月)発表
「非農業部門雇用者数」と「失業率」の経済指標で、事前予想と結果の間に差-サプライズがあればあるほど為替相場に影響⇒米株相場が動く⇒連動して日本の円ドル、株相場に影響があります。
2023年放映作品 | 米雇用統計 | 日経225とアノマリーの結果 | 雇用統計考察 | |
1/6 | ハウルの動く城 | あり | 1/6終値26,034→1/10(火)始値26,176終値26,175 窓開けて上昇、アノマリー✖ | ◎非農業部門紅葉者数は市場予想(+18.8万人)を上回り+26.0万人に上方修正 … 結果が良かったので相場が荒れなかった |
7/7 | 風の谷のナウシカ | あり | 7/7終値32,388→7/10始値始値32,393終値32,189 下降、アノマリー◎ | ✖非農業部門紅葉者数は市場予想を下回り、▲4.9万人下方修正 …結果日経相場も下降 |
7/14 | コクリコ坂から | 7/14終値32,391→7/18始値32,457終値32,493 上昇、アノマリー✖ | ※比較の対象外 | |
7/21 | もののけ姫 | 7/21終値32,304→7/24始値32,648終値32,700 窓開けて上昇、アノマリー✖ | ※比較の対象外 |
米雇用統計発表とジブリ放映が重なり、更に雇用統計が思わしくない結果の時に日荒れ相場が反映されて成立するアノマリーですが、「2010年から13年まで、米雇用統計発表と重なるジブリ放映は10回あったが、うち9回でジブリ効果が実現した」 偶然以上の相関関係があると見なされた訳です。
また、アノマリーが有名であるほど、多くの投資家がそれを意識して投資判断を下すために、結果アノマリー通りに相場が動くよう圧力がかかるというシステムが働いているようです。
ぜったい都市伝説で、宮崎作品には、空を飛ぶイメージが頻出するから“落ちる”の暗示、「天空の城ラピュタ」放映の度にTwitter、もといX上で大バズりする「バルス!!」の呪いーって信じていたんだけど
「多くの投資家がそのアノマリーの通りにふるまうこと」を強制されるなら、
正真正銘呪いにゃん(怖)
9/23に日本テレビがジブリを子会社化する発表を出しましたね。新しい作品プロデュースの他に、これからも金曜ロードショーでいつまでも繰り回しが効くジブリ放映を続けて、米雇用統計発表時に、対米経済制圧⇒知る人ぞ知るで大儲けを強化したいのか、と思ってしまいましたわ