「遠くの戦争は買い、近くの戦争は売り」戦争に関するアノマリー
「砲声が鳴ったら株を買え」という言葉もあります。
ただし戦争イコール株価暴落ではありません。どの銘柄でもいいという訳でもありません。
・遠くの戦争は買い
遠くの戦争ー地政学リスクによる株価下落は、往々にして買い場になるというアノマリー。
(1)第一次世界大戦(1914年~1918年)…戦禍に見舞われた欧州から遠い米国や日本では特需が発生。
(2)第二次世界大戦(1939年~1945年)…第一次大戦ともども、日経、NYダウとも、日常的な上下を繰り返し、おしなべて横ばい。戦争終結直後に大きく上昇したとのこと。
(3)朝鮮戦争(1950年~1953年)-遠くではありませんが、高度経済成長への助走に繋がる特需が発生。
(4)ロシアのウクライナ侵攻(1922年~ )…日米欧は同時株安の様相、反対に有事の金や原油などのコモディティは高騰。
(上記の)他のセクターの銘柄は、この情勢不安が続けば続くほど、下落していく確率が高いの。となると、投資家としては絶好の買い場になる可能性があるわけ。
・近くの戦争は売り
被害をこうむる可能性があるので不安材料で下がり、売り材料となりやすい、とのアノマリー。
~どちらも世界同時株安に至るような事象ではなりがたいという見方もあります。マーケットは情勢不安によって下落することが予想されますし、逆に長引くと慣れて下落ではなくなる可能性もあります。
大統領選挙ー4年のサイクル内での上下
日本の国会解散、衆参議員選挙は不定期に行われ、4週間前から相場が上昇するアノマリー。
かたやアメリカ大統領選挙は、4年の任期と選挙のサイクルは固定、相場と密接に関係すると言われています。
A選挙の年 … 株高、ドル高
第2次世界大戦後ー2019年まで選挙のあった年は、18回中13回が値上がり。確率で言うと、72%という高さになるとか。値下がり(-33%)が目立つ2008年オバマ大統領は、リーマンショックの年でもあるので不運だったかも。
B中間選挙の年 … 株価が上がりにくい
大統領は次の選挙でも再選を勝ち取るため、まずやらねばならない施策を任期前半で行い、後半で景気改善策を行うことが往々です。任期の中間あたりに株価が下落、その後少しずつ回復する傾向が出やすいと言われています。
ちょうど冬季オリンピックの年にもあたるので「冬季オリンピックが開催される年は株価が下がる」とも言われています。
C選挙の前年 … 上がる?下がる? 判断が分かれるところ
①「大統領選挙前年は、最大のパフォーマンスとなる」という力強いアノマリー
中間選挙の結果を踏まえ、「現職の大統領が再選に向けて、景気対策を講じ、積極的な政策を打ち出す」との期待が高まるため。
②逆に下がってから、選挙の年に上がる
「大統領選挙前年の9月~翌年の3月にかけて市場は下落⇒選挙後に1年以上強い上昇が起こる」
レイモン・メリマン説 …わかりやすい集約、2023年もそう来るか?!
※就任した大統領の出身政党が変わると株価の方向性が変わりやすい?
選挙で新大統領の出身政党が変わると
➡4年目で下落局面の場合、次の新大統領で上昇に転じる。
➡4年目に上昇局面の場合、次の新大統領で下落となる。 という傾向も見受けられるそう。
政党が変更となることで、新たな政策への期待や警戒が経済に影響することが懸念されることが要因として考えられるとか。
◎民主党出身の大統領が就任しているときの上昇する確率:77%
◎共和党:69%
(株式投資の道「米大統領就任3年目は株価は上がりやすい?米大統領選挙と米株式相場の関係性」から)
ちなみに2024年までバイデン大統領は民主党。23年10月時点でトランプ氏の出馬の他、ケネディJr.が無所属での出馬という話も出てきたので、党派無関係になるかもと、サプライズ要素がありそう。
…の確率が高い、という程度で、アノマリーは絶対ではないからね。
背景になる諸要素にも注目を!!